炎症性腸疾患とは
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease; 略してIBD)とは、潰瘍性大腸炎とクローン病のことを指します。めったにかからない病気ではありますが、食習慣が欧米化してきたためか、日本でも年々増加しています。
潰瘍性大腸炎とクローン病はどちらも、15~40歳と若い時に発症することが多いのが特徴です。
炎症性腸疾患は、まだ原因がよくわかっておらず、診断も治療も難しい病気のため、国の難病(特定疾患)に指定されています。
当院でも特定疾患申請書類を作成できます。
下痢が続く、便に血が混じる、腹痛や発熱が続く、痔ろうができた、といった方は、ぜひ早めにご相談下さい。
また、診断や治療でお困りの先生方からのご紹介も喜んでお受けいたします。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は、大腸にのみ、慢性の炎症や潰瘍を起こす病気です。
主な症状は下痢、血便、腹痛などです。特に、粘液と血液が混じった粘液便が特徴です。
当院での治療方法
潰瘍性大腸炎を完全に直す治療法はまだ発見されていないため、腸の炎症を抑えるため、お薬での治療を行います。きちんと毎日お薬を飲むことが、症状を安定させるために一番大切なことです。
当院では、免疫抑制剤を使った治療を中心に行っていきます。
当院では、 血球成分除去療法のうち、副作用が少なく、炎症性腸疾患に高い効果がある、顆粒球除去療法(GCAP)が行えるよう、準備していく予定です。
関連サイト
- 難病情報センター:潰瘍性大腸炎
- URL:http://www.nanbyou.or.jp/entry/62
クローン病
クローン病は、潰瘍性大腸炎とは異なり、口から肛門まで…つまり食べ物が通る道のどこにでも、慢性の炎症や潰瘍を起こす病気です。
主な症状は、腹痛、下痢、微熱、血便などです。また、肛門病変といって、痔の症状が現れることも多いです。
当院での治療方法
治療法は重症度や発生する部位などによって異なりますが、食事療法と炎症を抑えるため、お薬での治療を行います。また、当院では、炎症を起こすTNF-α(アルファ)という物質を抑える生物学的製剤、レミケードやヒュミラを用いた専門的な治療も行っていきます。
学校やお仕事を休まずに治療を受けていただけるよう、平日の夕診(16時~19時)や土曜も、外来でレミケード点滴を受けていただけます。
肛門に現れた症状など、専門的・外科的な治療が必要な場合は、市民病院へご紹介させていただきます。
関連サイト
- 難病情報センター:クローン病
- URL:http://www.nanbyou.or.jp/entry/81